引っ越し先はあたしの隣⁉︎
隼田くんはね、同じ文系の四年制大学へ。場所は違うけどね。
でも大丈夫。離れてても信じてるから。それにこのネックレスが隼田くんと結ばれてるから。
「ねえねえ、写真撮ろうよ!」
北川くんが自分のスマホを掲げて言う。
その声にみんなが頷いて、並んだ。
ちなみに、北川くんと飯田くんも四年制大学へ。理系の道へ進むんだって!
2人は同じ大学へ行くらしい。
北川くんが理系って違和感アリアリに思ってしまうんだけど、宇宙に興味があるんだって。
みんな頑張ってね。
──パシャッ。
北川くんがスマホ画面の左下の画像を表示させてみんなに見せる。
そこには手前になっちゃんと北川くん。その後ろにあたしと隼田くん。その後ろに飯田くんが写っていた。
みんなピースしてとてもいい表情してる。
だけど、誰もがそれを見て突っ込んだ。
「なんで快斗ひとりなの!?」
「や、そこじゃないでしょっ」
「飯田くん、おもしろいね」
「さすが快斗だわ」
ひとりを除いて、笑いながらそんことを言った。
「笑うことないだろ、酷いな」
真顔でそんなこと言うから余計みんなで笑った。
だってそこには、ひとりでポーズをとった飯田くんがいるから。
ポーズといっても、ピースじゃない。両手を上に上げて凄く爽やかに笑ってる。
けど、その様子が彼らしくなくてとても似合ってなかった。
「まじ最高っ」
大きく息をはいて目を擦りながら言う北川くん。
少し目がウルッとしてる。
初めて卒業式を楽しいって感じた。
そう思うっておかしいかな?
悲しいけど、楽しい卒業式。
泣いてるのに笑ってるなんて、自分が信じられない。
この高校で3年間過ごせてよかったな。
そんなことふとみんなを見て思った。