引っ越し先はあたしの隣⁉︎
校長先生はさっきのリレーで興奮してたらしく、長々と熱〜く語っていた。
総合優勝の発表をされ、あたし達のチームは
なんと、優勝!
隼田くんのお陰だもんね。
彼はクラスの男の子や同じチームの男の子に揉みくちゃにされて笑っていた。
その笑顔に胸が高鳴る。
ほら、そんな笑顔してたら女の子はみんな釘付けだよ。
閉会式が終わり教室でSHR中。
「総合優勝おめでとう!」
と担任が言った。
みんなは拍手して喜びを分かち合う。
SHRが終わった後、みんなで記念撮影をした。
あたしは2列目の端っこに中腰になってピースをして撮った。
写真はクラスの女の子が現像してくれるみたい。
あたしには居心地の悪い空間が今はちょっとだけ心地よい空間に変わった気がした。
それはクラスに一体感が生まれた瞬間で、あたしもクラスに馴染めた瞬間だろう。
そう感じながらクラスのみんなに(女の子だけど)「じゃあね」と言ってから、なっちゃんの教室へ向かった。
なっちゃんのクラスはあたし達の階の下。つまり3階にある。
まだSHRが終わってないみたいだから、廊下の壁に寄りかかって待つことにした。
スマホでゲームをしていると、階段から人が降りてくる音が。
いろんな笑い声が聞こえてくるから複数いるんだと理解したところである人物の名前に耳が反応した。
声のする方をみるとその中には男の子と笑い合っている隼田くんがいた。
ふと隼田くんが顔をこちらに向けて目が合う。
──っ!
目が合ったことに驚いて慌てて目を逸らし、中断してたゲームをやり始めた。
ドキ、ドキ、ドキ。
ゲームに集中するけど、まだドキドキしてて、なかなか良い結果が得られなかった。
まだ、なっちゃんのクラス終わらないのかなぁ。
そう思いながら、5回目のゲームに突入しようとした時。
「おい、さっきのなんだよ」
……え。
ゆっくり声のする方をみると
さっき帰ったと思われる隼田くんがちょっと不機嫌な表情をして立っていた。