引っ越し先はあたしの隣⁉︎
家から学校まで徒歩50分くらいの距離。
あと10分ぐらいしたら家に着くのだけれど。
最悪です。
あの……逃げた意味ないんですけど?
ひと気が少ない道に足音がふたつ聞こえる。
ひとつはあたし。
もうひとつは……
「もう!なんで後ろにいるの!?」
「は、しょうがないだろ!?家こっちだし、お前ん家の隣なんだし」
忘れたのか?とでも言うような顔で見る隼田くん。
そう、隼田くんが後からついてきてました……。
ほんとに最悪なんだけど。
ほんと意味ない!せっかく走ったのに!
「歩くの遅くね?」
「わ、悪かったわね!さっき走ったんだからゆっくり歩いてたの!!」
「なんで走ったの」
えっ。
……なんでそんなこと聞くかなっ。
「べ、別にいいでしょ!」
「ふぅん」
「な、何よ。その顔」
「いーや、別に〜?」
む、ムカつくなー!この顔!
こんなやり取りをしてたらあっという間に家の前に着いていた。