引っ越し先はあたしの隣⁉︎






ヤバい。

まじ、ダメかも。


でも、快斗には負けたくねー!


俺は懸命に走った。


そして1位の快斗の背後まで追いついた。

あと少しで抜かせそうなのにっ。



っ……くっそ!

ヤバい、あと数メートルにゴールテープが……っ!




すると、



「隼田くん!いっけーーーー!」

と大きな声が聞こえた。




木下だ。

俺は全力で走った。


ゴール寸前で快斗と並び、テープを切った。


それと同時に周りがさらに騒がしくなる。


俺は倒れ込んだ。



「っ……はあっ……はあ、はあ………っ」


やっべー。つかれたっ。

こんなに走ったのいつぶりだろう。



「っ……はあ、はあ……斗真っ、やるな……っ」



横を向くと快斗も同じように倒れ込んでいた。



「……っ、快斗も、な」


二人して全力で走ったみたいだ。


全く会話になってなくてどちらからでもなく、笑い出した。


呼吸が整ったところでやっとまともに喋れるようになった。


「斗真、はえーよ」

「快斗もな」

「俺、こんな走ったの久しぶりだわ」


はははっと笑う快斗。

俺も、と笑った。




そうだ!結果は!?



審判曰く、俺らが同じタイミングでゴールしたみたいで詳しく審査してるそうだ。



《お待たせしました!結果が出ました。結果は………》




───ドゥルルルル、ジャン!



《黄チームの勝利です!!》



アナウンスが言い終えると同時にあちこちから喜びの声が聞こえてくる。




「シャーーーーア!」

俺も喜んだ。

ヤバい、嬉しいんだけど。



「良かったな」

そう優しく笑って言ったのは快斗。


「うわー!負けたー!」

と頭を抱えて笑いながら言う真人。



俺は二人に頷き笑った。








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