引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「じゃあ席は……」
そんな中、先生は席を決めようと切り出した。
あたしの席は一番後ろ。残念なことに隣の席が空いている。
どーしよー。絶対来そう……。
来るな来るな来るな!!!
必死になって拝んだ。
その思いは……、
「じゃ、木下の隣空いてるからそこに座ってくれ」
届かなかったあぁあぁあああ!
ううぅ……先生ーー!恨んでやるぅ!
彼は「あ、はい」と短く応え、あたしの隣に来た。
どーしよー。なんかやだな。
と思っていると、
「……よろしく」
彼がこっちを見て言ってきた。
——ドキッ。
「よ、よろしく」
ちゃんと笑えたかな。ぎこちない笑顔をしてしまったような気がする。
だって……急に声かけるから。
ビックリした。だって入ってきた時から言葉が少ないというか、無口だったし。
だから挨拶とかしてこないと思ってたのに。
まさか、向こうから挨拶してくるとか。
……心臓に悪いよ。
なぜかしばらくドキドキが止まらなかった。