引っ越し先はあたしの隣⁉︎






教室に戻ると「おせーよ!」とニンマリ顏の驎太が近寄ってきた。


うわー、めんどくさいヤツが来たー。



「なんなの、その顔」

「お前告られたろ?」

と耳もとで言った。



「うるせー」

やっぱり言われると思った。


「まぁまぁ、そんな照れんなって!」

バシッと背中を叩かれる。


イッテ。なんで叩くかなー。


「で、どうすんの?」

目を輝かせながら聞いてくる驎太に俺は無視して制服に着替えた。


何が『どうすんの』なの?



隣でまだ目を輝かせながら聞いてくる驎太に短く答えることにした。



「……断った」

「まじか!」


驚いた顔を向けてから、「もったいねぇ」と一言添え、ストンと椅子に座った。



神楽さんは男子にとってアイドル的存在らしい。


まあ、確かにツヤのある黒髪でさらさらのストレートヘア。運動も、勉強も出来る。それに長身で笑顔の明るい人だ。



って真人から聞いたことがある。




「なんで断ったんだよ」



……しつこいな。


するとタイミング良く女子が記念撮影撮ろうっと言い出し、その話は中断された。









< 41 / 237 >

この作品をシェア

pagetop