引っ越し先はあたしの隣⁉︎






記念撮影を撮り終えると、ある人を探した。

けど、教室にはもういなかった。



まいっか、明日……じゃねーや、来週言おう。


本当は今すぐ言いたいけど、木下の連絡先知らないんだよなー。



「斗真ー、帰ろー」


ドアの向こうから顔を覗かせている真人。


てか、お前は彼女かっ!


と心の中でツッコミながら教室を出た。



「斗真、告られたんだって?!」

階段を下りながら聞いてくる真人。


俺は眉を寄せた。

……なんで知ってるんだ。
情報速くね?



「で?」


はぁー。こいつも驎太と同じか。


って、快斗!?




「快斗も気になるんだ?」

後ろを振り返り聞いてみる。


こういう話に興味なさそうなのに、意外だな。



「いや、ただ真人より先に言いだしたかっただけ」

とチラッと真人をみて言った。



なんだよそれっ!やっぱ快斗おもろ。



本人は頬を膨らませ『先に言われた!』とショックを受けていた。



その様子が可笑しくて吹き出した。





あ。



視界の端に見覚えのあるシルエットが見えて、その人と視線が合った。



え、逸らされた……?



──ズキッ。



ん?なんにこれ。痛いんだけど。



校舎を出ようとしたところで俺は急に立ち止まった。



「俺忘れもんしたわ、先帰ってて」


と告げてまた校舎の中へ戻っていった。






なんでか知らないけど、木下に目を逸らされたと思ったらなんかムカついた。それと傷付いた。



なんでだろう。







< 42 / 237 >

この作品をシェア

pagetop