引っ越し先はあたしの隣⁉︎
記念撮影を撮り終えると、ある人を探した。
けど、教室にはもういなかった。
まいっか、明日……じゃねーや、来週言おう。
本当は今すぐ言いたいけど、木下の連絡先知らないんだよなー。
「斗真ー、帰ろー」
ドアの向こうから顔を覗かせている真人。
てか、お前は彼女かっ!
と心の中でツッコミながら教室を出た。
「斗真、告られたんだって?!」
階段を下りながら聞いてくる真人。
俺は眉を寄せた。
……なんで知ってるんだ。
情報速くね?
「で?」
はぁー。こいつも驎太と同じか。
って、快斗!?
「快斗も気になるんだ?」
後ろを振り返り聞いてみる。
こういう話に興味なさそうなのに、意外だな。
「いや、ただ真人より先に言いだしたかっただけ」
とチラッと真人をみて言った。
なんだよそれっ!やっぱ快斗おもろ。
本人は頬を膨らませ『先に言われた!』とショックを受けていた。
その様子が可笑しくて吹き出した。
あ。
視界の端に見覚えのあるシルエットが見えて、その人と視線が合った。
え、逸らされた……?
──ズキッ。
ん?なんにこれ。痛いんだけど。
校舎を出ようとしたところで俺は急に立ち止まった。
「俺忘れもんしたわ、先帰ってて」
と告げてまた校舎の中へ戻っていった。
なんでか知らないけど、木下に目を逸らされたと思ったらなんかムカついた。それと傷付いた。
なんでだろう。