引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「なに笑ってんの?」
え。
快斗の方を向いた。
そして、
「斗真きーもーいー!めっちゃニヤけてたんだけど」
と真人が気持ち悪い笑顔をしながら言ってきた。
「は?!ニヤてねーし……」
と問題を解きながら言った。
……俺、笑ってた?!
「おーい、なんでニヤてたんですかー?」
聞いてる?と覗き込んでくる真人。
「……うるさい、邪魔」
「冷たいなー。じゃ、今日の勉強はここまで!斗真の話聞こ!」
と笑顔を向けてくる。
は!?
まじなんなの……。
快斗に止めてもらおうと視線を送ろうと……絶句した。
快斗も片付けてたから。
お、おい。快斗まで……まじかよ。
「さ、さっさとその溜まってるもの吐き出せ!」
「は、何言ってんの!?」
「だって、さっきからため息とかニヤけたりしてるし。それに最近のお前元気ないっつーか、苦しそう」
俺が苦しそう……?
確かに苦しいよ。木下見てると。
てか、よく見てるなー。
「それって、恋愛系?」
そう言ったのは快斗。
……レンアイケイ……?
「え、何言ってんの。まさか」
まさか。な訳ないだろ。俺が?
「これだから……」と真人が小さく呟く。
そして、
「じゃあ、さっきから頭に浮かんでる人は誰なんですか!」
とマイクを持ったフリをして俺に突き出してきた。
なんでそうなるのか分かんない。
てか女子か!!
でもさっきから浮かんでるのは
……木下、だ。
「その人を見ると苦しい?けど、温かくなる?」
俺はしぶしぶ頷いた。