引っ越し先はあたしの隣⁉︎
……なんで俺まで出ちゃったんだよ。
前を向くと快斗と真人の間から木下と目が合う。
目を逸らしたかったけど、恥ずかしさを隠し笑いかけた。
その途端、パッと下を向かれた。
「なにショック受けてんのー」
ニヤリと笑いながら耳打ちしてきた。
「はっ、んなもんすっか!バーカ」
クソ、真人。
次の言葉を言おうと口を開いた。
「さっさと帰ればいいんでしょ〜。じゃーねー!」
と遮り、ブンブン手を振って帰っていった。
快斗も軽く手を挙げて行った。
……やっと帰った。疲れた。
「え!チョット!?なっちゃん!!」
向かい側から声が聞こえた。
どうやら木下の友達は足早に帰ってしまったらしい。
てことは、今ふたりきりか……。
やべ、なんか緊張する。
戻ろうか、と何も言わずドアノブに手をかけた。