引っ越し先はあたしの隣⁉︎
ひとりになった部屋でぼーっとしてるとさっきの出来事が蘇ってきた。
──っ。
もう勉強しに来たのに。
ドキドキしに来たワケじゃないでしょ。
なにやってんの、あたし。
あぁ、絶対顔真っ赤だったよね。隼田くんも絶対分かったはずだよ。
だってあんな近くにいたんだから。
あー!どうしよう!もし『好き』ってバレてたらっ。
もう終わったも同然だ……。
早く冷めさせなきゃ。
と目の前にあるお茶に手を伸ばした。
「……冷たい」
コップの外側を両手で包み込み、小さく呟いた。
冷えてるお茶を一口飲んで、数学のドリルをペラっとめくってみた。
……なにやってんだか。1ページどころか一問も進んでないじゃん。
これは本当にヤバいかも。
「どうしよー……」
あたしはテーブルに突っ伏した。
もう頭ん中は勉強どころかさっきの出来事でいっぱいで
なんかやる気しなくなっちゃった。
向かい合わせってやっぱ恥ずかしいね。
とふと思う。
……やっぱり帰ろっかな。
これ以上ヘンな顔見られたくないし。
さっき隼田くんあたしの顔みて驚いてたし。
顔デカッとか思ってるんだろうな……。
「はぁ、可愛くなりたいな……」
やばっ。つい声に出しちゃった。
ま、隼田くんいないし聞かれてないよね。
しかし、隼田くん遅いなー。何してるんだろ。
部屋出てから10分は経ってると思うんだけど?