引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「ねぇお母さん、昨日引っ越してきた人って……」
──ピンポーン。
言葉を遮ってベルが鳴った。
「あらっ、誰かしらねー?はーい!」
お母さんは玄関の方へパタパタとかけていき、ドアを開けた。
──ガチャ。
──っ!!!
ドアの前には、
「は、隼田くん!?」
と隼田くんのお母さんが立っていた。
とっさに声をあげたあたしにお母さんが振り向いて
「あら、知り合い?」
と聞いてきた。
……やっぱり聞くよね。
「う、うん。今日来た転入生」
「あら、そうなの!」
ん?も、もしかして……。
「あの、隣に引っ越してきた隼田です。宜しくお願い致します。もしよろしかったら、これどうぞ」
やっぱり!って思う前にあたしの目に止まったのは、差し出された『そば』。
わぁあ!そばだぁ!おいしそーー!
──っ!!
ちょうど顔を上げたら、隼田くんと目が合った。
それと同時に恥ずかしくなってうつむく。
うわー最悪……。変な顔見られたぁ。