引っ越し先はあたしの隣⁉︎
「ごめん!!俺が悪かったっ!謝るのは俺のほう。怒ってないから。安心して!
うつむいてたのはちょっと考え事してただけで、それでわざと意地悪してみたんだ」
ほんとごめん!と頭をさげた。
……なんだ。わざとか。
わざと!?
「やっぱり隼田くん意地悪っ!!」
もう涙も涙声も忘れて言い放ってた。
もうごめんごめん、じゃないよ。
…………っ。
わーーー!もう最悪だっ!
なんということをっ。
やっと冷静になったところで自分の失態に気付いた。
もー!あたしは何をやってるのー!!
泣くつもり全くなかったのに。
でも楽しい1日を台無しにしてしまったと思ったら涙がどんどん流れてきちゃって。
よりによって!
泣き顔を、泣き顔を!!
隼田くんに見られてしまったよーー!
あぁ、どっかに穴は、穴は……!
頭を抱えてひとりオドオドしてると隼田くんと目が合った。
「木下ー、何してんの?ほら……行こっ、時間食った」
数メートル先であたしを見ながらクスッと笑いながら言う隼田くん。
「ぁ、う、うん!」
あたしは彼の隣まで小走りで行った。
互いに30cmぐらいの距離を置いて、あたし達は集合場所に向かった。