ずっと、すきでした。
…いや、正確には見ようとしている。



毎年の事だけど、やっぱり悲しい…。
何を隠そう、私の身長は155cm。
だから、はるか上に貼り出されてあるクラス表なんて見えやしないのです。


目の前には人の背中。

麻衣子はどっか行っちゃったし…。
うーん、どうしよう…。

すっかり困り果てていると、


「きゃっ!」

誰かが私の右肩を軽く叩いた。



…誰?



恐る恐る振り向くと、そこには1人の男子生徒がいた。

その姿をみた瞬間、その全てに目を奪われる。

180cmはあるであろう身長と少し癖のある黒髪に切れ長の瞳、すっと通った鼻と、色気のある唇に心地よい低音ボイス。

トクン…と、私の心臓が大きく跳ねた。


「…名前」

「っへ!?」


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