ずっと、すきでした。
それだけ言うと再び窓の方を向いて外を眺める。








「今もまだ、彼女さんを想ってるのは知ってる。だけどね、どうしても伝えたかった。
私の気持ちを知っておいて欲しかった」








サァー…っと、木々が風に揺れる。






目を閉じて、木々と風の音を聞く。









「…神野」












ふいに呼ばれて胸がトクン、と優しく鳴る











「…ごめんな」












「ううん、いいの。謝らないで。
ちゃんと返事をくれてありがとう」







分かってた筈なのに、手が震えて…








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