白黒の狂想曲~モノトーン・ラプソディー~
「…ごちそうさまでした」
半分も食べることができなかったご飯。
私はお腹をさすりながら、そう呟くように言った。
「はい、よく食べました。頑張ったね」
明奈さんがそう笑顔で言って、食器を乗せたおぼんを、病室の手前に止めたカートに運んでいった。
カートの上の食器はどれも綺麗で、私の食器だけが嫌でも目につく。
食事は嫌いだな。
眠るのも嫌。
お薬はそれほど苦じゃない。
でもやっぱり、嫌かな。