密室ゲーム
桜にスタンガンからの電流が走ると同時に、守の目に映る僅かな火の粉の様な赤い光。
その直後、桜はぐりんと白目を剥き、膝から崩れる様に身体ごと床へと落ちていった。
床へと倒れた桜の半開きになった口からは唾液がツーっと流れ出ている。
「し、……死んだ?」
守がそう呟やいた瞬間にバッと部屋を見渡すが、5角形の部屋に今居るのは守と倒れている桜だけ。
その事にほっと胸を撫で下ろし息を吐き出すが、自分の足下に転がっている桜の姿が再び視界に入ると、一気に顔を青くさせた。
殺すつもりだった。
コマツを殺せば全てが丸く収まるはずだった。
でも、…………この女は……本当にコマツだったのか?
今更ながら思い出すその考えに震えだす指先。
そして震える指先へと目を向けた時、ふと床に置かれていた物が目に付いた。
桜の身体の後ろにあったからか、直ぐには気付かなかったが、明らかに桜が持ってきたのであろうそれ。