密室ゲーム
それを見た瞬間に、この女が自分を尋ねて来た理由か頭を過る。
そういえば、確か言ってたじゃねぇか。
……お茶を持ってきます……って。
床に置かれた、お茶が半分入った2リットルのペットボトルから守は目が離せない。
お茶をわざわざ持って部屋を尋ねる理由。
そんなのは、……俺にお茶の有無を再度訊く事に決まってる。
この女は……、
俺を…………殺しに来たんじゃない。
殺される前に殺す。そんな考えで桜の首にスタンガンを当てたのだが、桜が自分を殺そうとしていなかった時点でその行動の理由が消える。
「俺を……殺しに来たんじゃないのに。……こ、…殺しちまった」
小さな声で紡がれるその言葉は震えていて。
もうどうにもならない罪悪感が守を襲う。
間違えて殺してしまった。
どうしよう?
どうしたら良い?
そんな考えがぐるぐると守の頭の中を回り続ける。