密室ゲーム
その時、ブゥン…というあの音と共に桜の罪が画面へと映し出された。
『恩田桜の罪は
…………ネグレクト』
その文字を見て桜はキリッと親指の爪を噛むものの、それだけ。特に由里子の様に動揺する事もない。
ネグレクトと言われる覚えがないわけではない。が、そうなったのも自分のせいではなく、全て川瀬由里子のせいだと思っている。
ネグレクトをしていた…という罪悪感が桜にはないのだ。
哲夫と修二も顔を上に向けて内容を見たにも関わらず、特にこれといって何も口にしない。
そんな2人の態度から、彼等はネグレクトが悪いとかそんな事に興味がないのだろう事が桜にも簡単に読み取れた。
ただ今となっては自分の罪などどうでもいい事。寧ろ桜にとって今一番考えなくてはならない事は、幼児誘拐殺人犯が守なのかという事のみだ。
「あ、あのー。守さんは、本当に幼児誘拐殺人犯なんでしょうか?」
自分の罪の事には触れずに、哲夫と修二にそう問い掛ける。
それに、哲夫が顎に右手を添え少し首を傾げながら口を開いた。
「確証はないけど、……その可能性は高いと思うよ」
「僕もそう思います」
哲夫に続いた修二も同意見らしい。