密室ゲーム

この２人に自分が幼児誘拐殺人犯に狙われる存在だと言うことで、協力が得られるかもしれないという思いから。


そして桜の思惑通りに話は進む。


「まあ、念のために、桜さんは守君と２人っきりになるのを避けた方がいいかもしれないね。何か彼の行動で気付く事があったら桜さんに伝える事にするよ」

「僕もそうします」


桜を心配する素振りを見せる哲夫と修二。


その様子に思わずニヤけてしまいそうな口元を手で隠し、

「あ、…ありがとうございます」

そう震えた声を出した。


「じゃあ、一先ずまた部屋に変化がないか確認に行くとするか」

「そうですね」


哲夫の一声で、再び部屋の確認をしに桜もドアへと向かって歩を進めたその時、「あっ、桜さん」と名前を呼ばれ足を止めた。


「はい」


後ろを振り返ると、桜の名前を呼んだ修二と目が合う。


哲夫の入った部屋は既にドアが閉まっており、今この場に居るのは桜と修二のみ。


その事に桜がほっと胸を撫で下ろした。