密室ゲーム


もしかして、最初の由里子以外は全員の手枷を外せる鍵が同じなのでは?

それか、『ゲームに勝った人しか鍵を貰えない』そう思い込ませるだけのものだとしたら。最初の指名はただ単に指名しただけで、由里子の手枷の鍵も同じかもしれない。

兎に角、誰か一人の鍵さえ手に入れば全員の手が自由になる可能性は高い。



そんな考えを今実行に移した結果、案の定修二の手枷が外れたのだ。


「さてと。次は」


そう言って修二が向かう先は5角形のこの部屋の真ん中。死刑執行用の電気椅子が置かれている所だ。


電気椅子の真ん前まで来ると、座る部分に置かれている紙と鍵へと視線を落とす。


守が持っていた物を由里子がここに置いたもの。


修二は電気椅子に怯える事もなく、スッと右手を伸ばすと、椅子の上の鍵を手に取りニヤリと笑った。


ここにある鍵は、守が憎む相手の足枷を外す事の出来る鍵。


そしてその守の憎む相手が、修二で間違いないからだ。

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