密室ゲーム
何故なら、修二は守を自分の部屋の窓から何度も見ていたのだから。
その場にしゃがむと、右足首にガッチリとはまっている鉄輪にある鍵穴を覗き込む修二。そして、手に持っている鍵を差し込んだ。
カチャ…という手枷が外れた時と全く同じ音が響く。
右足首は、何度も歩いて鉄輪が擦れていたからか、僅かに赤く色付いている。
そこをそっと右手の掌で何度か擦ると、スッと立ち上がった。
「これで完全に僕は自由だ」
クックッと楽しそう喉を鳴らして笑う修二に、視線を向ける者は居ない。
今、この部屋に居るのは、床に転がっている3人の死体と修二だけ。
「先ずは確認しておこうか」
そう言って修二が歩き出すが、もうあのジャラジャラという音は響かない。
修二の足が向かっている先は、桜が入れた部屋だ。この部屋を確認する事が修二にとってはかなり重要な事なのだ。
修二の入れた部屋は鏡だらけの部屋で、色んな種類の鏡が置かれていた。
その中で鏡以外の物と言えば、部屋の真ん中に置かれていたテーブルの上にあった、お酒、煙草、頭痛薬、グラス。それと、紙と鍵だけ。