密室ゲーム


音の聞こえた方へ目を向けると、守の吐いた血が机の角に溜まっている。


そこからゆっくりと視線を下へずらしていくと、その溜まった血が床へと滴り落ちたのか、床に出来た血だまりが僅かに波打っていた。


「なんだ、…この音か」


ほっと胸を撫で下ろす修二の目に今度は、自分の掌程の大きさの黒い塊が血だまりの横に落ちているのが映る。


腰を屈めてよく見てみれば、テレビ等でよく見るスタンガンだと分かった。


そのスタンガンへとスッと右手を伸ばす。


桜が持ってきただろう毒薬入りのお茶を飲んで死んでいる守。だが、桜も殺されていた。


しかも、桜は手足の鉄輪を骨を折り外すという強引な事をして場所を移動していた。


自分で骨を折り移動する覚悟が桜にあるとは思えない。となると、それが出来るのは桜と隣接した場所にいる、修二か守だけ。


修二はやっていないのだから、守が桜の骨を折り、場所を移動させたと考えられる。

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