密室ゲーム
目的の桜と守の入れた部屋を確認し終えた修二は、取り敢えずという感じで由里子の入れた部屋を中に入らずにドアから覗き込む。
部屋の中は由里子が言っていた通りズラッとパソコンが並んでいるだけ。1つのパソコンの画面だけ、『コマツ』と『フォト』の会話だったというのも本当だろう。
その事に何か思う事もなく、修二の足は次へ向かう。
修二は由里子の事に関しては、全く興味がないと言っていい位だ。見知らぬ人への興味など、そうそう湧かないという心境からなのだろう。
だからこそ、1回目のゲームで由里子が負ける様に『その場しのぎ』という正解を書いたのだ。修二にとっては、単に負けるとどうなるのか?という疑問を解消したかったというだけのもの。
罪をバラされた事で落胆している由里子を目にしても、申し訳ないという気持ちが修二には欠片も湧かなかったのは、他人事という気持ちが強かったからだろう。
次は最後となる哲夫の入れた部屋の前で歩を止めたが、修二はその部屋の中にチラッと目を向けただけで、眉間に皺を寄せ目を逸らしてしまった。