密室ゲーム
人形だらけの部屋。
だがその中の何体かは、当時テレビで何度も映し出されていた、幼児誘拐殺人犯である哲夫に殺された子供の顔をしており。
その顔が修二を見て、『アナタダケタスカルナンテ、ズルイ』そう言ってくる様に見えたのだ。
覆い被さってくるそんな感覚を振り払う様に、ぶんっと勢いよく顔を横に振る修二。
そして再び天井へと目を向けた。
天井にある画面の左側に並ぶ電球。普通ならば、部屋全体を照らそうと思うのならバラしてつけるのが一般的だ。
電球の中に鍵があるという事を考慮しても、左側と右側に2つずつ設置して置けばいいだけの話だ。
それを敢えてしていない。その為に画面の左側よりも、右側の方が広く感じる。
左側はないのに、右側は空いている空間。
この部屋の中で一番怪しい場所はそこだ。
そして、画面の真下に位置する場所に置かれている死刑執行用の電気椅子。電気椅子は床に固定されているものの、電気を通すコードの様な物は一切ない。