密室ゲーム
自分達の置かれた状況と電気椅子の見た目のインパクトが強いせいで、自分達を殺す為にそれが用意されたのではないかと誰だって思ってしまう。
だが、それが間違いだとしたら。
ゲームに負けても、罪をバラされるだけ。
脱水を起こさない為の水分補給すら、誰でも出来る様になっているこの場所。
今、生きているのは修二だけだが、憎む相手を殺しにかかったのは自分達で、自分達を監禁した犯人ではない。
その事を考えると、犯人が自分達を殺すつもりではないという事は明確だ。
そうなると、この電気椅子が人を死に至らせるまでの電流を流せるとは考えにくい。
第一電気椅子というものは、椅子に座り、頭部と足首に電極を取り付けなければ電流は流れないのだ。
ただの飾り。
それにしては、大きく目を引く。
なら、ここがこの5角形の部屋の出口のヒントに繋がる可能性はかなり高い。
そう思うとニヤリと笑い、修二は電気椅子へと歩を進めていく。
そして電気椅子の前まで来ると足を止め、ゆっくりと腰を屈めた。じっくりと椅子を観察し始める修二。