密室ゲーム


梯子の揺れが緩やかになった所で、再び電気椅子の前に来た修二。


そして、今度は電気椅子の腰を下ろす部分にガンッと力強く右足を乗せた。


そのまま左足も乗せ椅子の上に立つと、梯子の一番下の踏ざん部分が丁度修二の腰の辺りに当たる。


修二はこの梯子を登る為にその踏ざんの一段上を両手で掴むと、ぐっと身体を持ち上げ、腰の辺りにあった方へと足を掛けた。


そして、

「さて、行きますか。もう1人に会いに」

そう呟くと、ゆっくりと梯子を登り始める。


修二はこの梯子を登った上に、人が居ると予想している。


というのも、3回目のゲーム内容が明らかに可笑しかったからだ。


3回目のゲームでは、ゲームをする人数が2人だというのに、2人だと攻略方法があるゲームだった。


ゲームが終わってタイミングよく文字が映し出されるというのは、ここの様子を見ている誰かが居るという事。


なのに、3回目のゲーム内容を変更しなかった。


その時点で、ここの様子を見ているだろう誰かは、自分達を監禁した犯人ではないと考えらる。

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