あなたを待っている
缶の蓋を開けて、お互いに缶を軽く当てる。

『乾杯!』

そう言ってから一口ビールを口にする。

『由希美…。』

俺が声をかけると由希美は

『今まで“たこ”って言ってたのに、どうして突然、名前で呼ぶの?』

そう言って、首をかしげる。

『う~ん。まず、何から話せばいいかな…?まずは…彼女のことから話そうかな。』

俺は、そう言って由希美の顔を覗きこむ。

由希美は、黙って首を縦に振った。



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