あなたを待っている
『いるよ。もう3年も片想いって言うか、伝えられずにいるんだ。』

俺の言葉を聞いて、由希美はポロッと涙を溢した。

『伝えてあげればいいのに。もしかしたら、その人も……たなくんのこと、好きかもしれないし。』

そう言って、俯く由希美。

俺は由希美の頬に流れ落ちた涙を指で拭った。

『そうだな…。でも、千鶴との結婚を考えて…千鶴と一緒に暮らしていたのに、その女に惚れて千鶴を傷つけたんだ。だから、俺は千鶴との約束を守らなきゃならないんだ。裏切ったのは俺だから…。』

『そんなっ。』

『由希美…。俺ね…。』

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