あなたを待っている
ドキドキしたままリビングに入ると、たなくんはソファーで缶ビールを飲んでいた。

『やっぱり俺のじゃ大きかったね…。』

たなくんが笑いながらソファーから立ち上がり近付いてきた。

『由希美…。いい香りがする。』

そう言って私を抱きしめてから首に顔を埋めると、チュッとキスをした。

『俺もシャワー浴びてくる。冷蔵庫に飲み物あるから好きなの飲んで待ってて。』

たなくんがシャワーを浴びている間に冷蔵庫から烏龍茶を出してグラスに注ぐ。

グラスを持ってソファーに座る。

たなくんを待ちながら、テレビを観ていたはずだった。

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