月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】
【葉月side】


あったかい。ポカポカする。

目を開こうとするが開けたくないって思う。
開けたら後悔する。何かが起こる。そう思ったから。

眩しい。目を閉じていても光が入ってくる。
まっすぐな光が。

同使用もなく目をあけた。



葉月「う゛。眩しっ!? って自分の部屋?」



予想以上に眩しかった。

私はなぜか自分の部屋にいた。どうしているんだっけ?

あったかい。手を見てみる。そのには……



葉月「そ、爽?」


爽が私の手を握っている。
それはいつもよりにあったかい。


爽「……ん……葉月?」

葉月「あ、起こしちゃった?」

爽「ううん……って葉月!?」

葉月「2回も呼ばなくても居るわよ。」

爽「あぁ。ごめん。大丈夫?」

葉月「え、大丈夫って?何が?」



大丈夫?って体痛くないし。怪我してないし。
いつもの私だし。

……いつもの?



葉月「ねぇ、なんで私の部屋に居るの?」



そぅ、一番質問したかった事。
昨日の記憶がはっきりしない。

部屋に帰った記憶もないし、なぜ爽が居るの?



爽「まさか何も覚えてない?」

葉月「まさかって……え、まさか」

爽「うん。そのまさか。」

葉月「え!?皆は?」

爽「その前に止めたよ。」

葉月「あ……ありがと。」

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