月影の涙Ⅱ~私はただの人形~【完】
稀月「喧嘩に強いんでしょ?でも叶わない奴だ
っている。でもそれ以前に君に叶わない
奴の方がいーっぱい居るんだよ?」

翔「だから?」

稀月「そんなに必要とされたいならされたい奴
を一発殴ればいいじゃん。」

翔「そしたら居場所が……」

稀月「なくなる覚悟でいけば?どうせ死ぬつも
りなら一発ぱっとやればいいじゃん!」

翔「え……」

稀月「後先は死が待ってるだけじゃん。両方共
変わんないよ。スッキリすればいいじゃ
ん。」

翔「……」

稀月「君が居なくなって気づく事もあるんだよ
?だから必要とされたい奴はそれに気づ
くって。」

翔「そんな訳……」

稀月「試しにやってみたら?ウジウジしてても何
も変わらないし。」

翔「で、でも……」

稀月「それでもダメだった時には殺してあげる
からさ。」

翔「……」

稀月「毎回そんなんじゃ、つまんないよ?楽し
まないとね♪」






そう言って歩き出す。





稀月「前に進まなきゃ。一歩でも。
じゃ、また逢う日まで。」




振り返る事もせず最後に手を振って帰って行った。



俺は唖然と立ち尽くした。


< 340 / 394 >

この作品をシェア

pagetop