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捨てられない過去

 フィーラはパタンと静かに手紙を折りたたむ。
  
 そして、ふぅと息を吐く。

 「嫌よ、フランク。」

 フィーラは繰り返した。

 これは、あたしとおばあさまだけが知っている話なのに。

 
 あたし、たくさん厄介事があるけれど、フランクを見捨てたりしないわ。

 さっきまでの怒りはどこへいちゃったのかしら?

 でも・・・・助けないといけないきがするの。


 秘密を知ってる者同士ー・・。


 忘れられない過去だってつきものなんだから。


 フィーラは何もかも投げ出して、走りだした。

 あてもなく・・ただ、魔法を、ペンダントを頼りに。

 まったく!フランクはあたしの願いをめちゃめちゃにするんだから!!

これだから、よけいにほっとけないのよね。

 ちゃんと2つめの手紙は読んだわ。

 
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