any thing

 そう言っておばあさまはいなくなった。

 フィーラは深く、深呼吸した。
 
 「あそこの庭で待ってるよ。」
 
 さっきの言葉がぐるぐる、頭の中を回る。
 
 ・・・・そんな。

 それじゃあ、王宮に戻れってこと?

 追われてるのに、わざわざ、あそこへ戻れと?

 あたしの夢がかなったのに?

 ・・・・。

 でも、それでフランクが助かるなら・・。

 -ってあたし、どうしてあのバカのことがきになるのかしら?

 そうよ、ほっとけばいいんだわ。
 
 あたしなんか、まきぞいにならなくてすむし、わざわざ、首つっこまないでいいって

 あのバカ、言ってたし!

そうよ、あたしが助けなくっても、あのバカ、生きてるだろうし。

 王宮に帰るなんて冗談じゃないわ!!

人生、終わっちゃう!!!

・・・・・でも、秘密を知ってるもの。それに、おばあさまが言ってたわ・・。

 魔法が受け継がれなくなると、なにがおこるかわからない。

 ・・・・この際・・・しょうがないわね。

 フィーラは、くるりと回れ右をして、来た道を引き返しはじめた。

 やっぱり、あのバカ、ほうっておけない。

 あーぁ。あたし、いったいこれからどうなっちゃうんだろう?
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