any thing


 ハァ、ハァ・・。
 
 フィーラは息が切れても走り続けた。

 途中でドレスのすそに階段でつまずいたが、そんなのお構いなしにフィーラは走り続け た。


 後ろでフランクの声が聞こえたけれどフィーラはほうっておいた。

 ガチャン・・

 部屋に鍵をかける。

 そして、フィーラはドレスを脱ぎ、ベッドにたおれた。

 「もう、ゆるさないんだから。お母様なんて・・」

 そう言ってフィーラは涙を拭いた。

 この気持ち、だれにもわかんないんだわ。

 ここなんて大っきらい!!!

好きにすればいいじゃない・・。

 あたしは、ほかの道で生きてやるんだから・・。

 コンコン・・

 「フィーラ?」

 フランクだ・・。

 「・・・・」

 放っておけばいいわ。

 「・・たのむ・・あけてくれ、フィーラ。」

 「・・・・・」

 放っておいた。

 でも、声がしなくなり、フィーラはそっと、立ち上がった。

 フランクっていつも、邪魔するんだから・・。

 そして、また、ドレスを着た。

 
 「・・フランク。何??」

 答えはすぐ、かえってきた。
  
 「入れてくれ、フィーラ。」

 なんだ、いたんだわ、フランク。

 「なぜ??」

 「ひとりでいるのは耐えられないからだよ」

 「・・・今、あけるから・・。フランク、ほかにだれもいないわよね?」

 「あぁ。おれ一人だ。」

 ガチャン・・・

 
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