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 「フィーラ。ごめん、おそくなって。」

 「いいわいいわ。おそくなんてないから。10秒でおてあらいなんておはやいこ     と!!」

  フランクはきっと、トイレなんていってないわ。

  「さ!いきましょ!」

「・・・あぁ。」

 「-どうしたの?フランク。」

 「ううん。平気だ。」

  フィーラはフランクの言葉なんて聞いてなかった。

  鼻歌を歌いながら、ドアを閉める。

  ガチャン・・

  そして、窓に向った。

  窓の外は、フィーラのお気に入りのお庭だった。

  色とりどりの花や、虫たち、鳥たちがにぎやかに住んでいる。

  まるで、メルヘンな空間だった。

 「-。あーぁ。あたし、ここがすきだったのに。つらいわ。」

  そういって、ふぅと息を吐く。

  いいわ・・しばらくの間、お別れね・・。

  でも・・・その前に・・

  ガチャン・・ガチャン。

  「えーと。」

  フィーラはタンスの中をかき回している。

  「なにしてるんだ?」

  思わず、フランクも気になる。

  「--。探し物よ。」

  「それはわかっている。」

  「あった!!」

  「何だい?」

  キラキラ輝く、紫色のペンダント。

  「これはね、あたしのたからものよ。」

  たしかに・・・神秘的な気がする。

  「なにをするの?」

  「あら、・・・フランクは魔法を信じる?」

  「-。いいや。」

  「じゃあ、教えたって無駄ね。そこにいて!」

  そう言って、フィーラは窓の所に行き、そのままなにかを唱え始めた。

  
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