学園世界のイロジカル
「…でも、なんか変…?」




ちょっとした違和感を感じて、もう1度壁に投影されている映像を睨むように見る。



お金持ちのパーティーみたいに華やかなのに…




なんでだろう、スーツのような黒い服をピシッと着ている何人かの人は焦りの表情を浮かべながら会場を走り回っている…?





不思議に思いながら顔をしかめる…そんな表情を浮かべていたのは、私だけじゃなく零藻みたいで。




「確か、貴方達は外部組のお方ですね」




そう言うとQは零をじっと見つめ、ニコッと笑った。




「江崎零。鳥月宮前代未聞の満点主席となった者。

IQ188の世界をも認める大天才…その頭脳のせいで、ある大事件を起こしたのも有名ですが」




まるでそう書かれている原稿を読み上げるように、すらすらと口から紡がれ出ていく言の葉。



Qの口から音が出なくなったと同時に、零の眉間に深いシワができる。




…柊も言っていたよね…零の”過去”のこと…




それに、IQ188ってなに!?



常人のIQは100程度、IQ150を超えれば天才と呼ばれるのがIQ…別名、知能指数。






まさか、零がそこまでの天才だったとはなあ…




そう感嘆する時間も少なく、Qは今度は私に顔を向ける。




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