学園世界のイロジカル
綺麗なダークブラウンの髪。


少し切れ長の冷たそうな雰囲気を持つ目。


ほっそりとした顔立ち。




…とんだ美青年が来ました。





「…初めまして、外部組の新入生。

俺の名前は野口 柊(のぐち しゅう)。


持ち上がり組の1年生で、生徒会長をつとめてる」






…野口 柊。



産まれながらのカリスマ性を持つようなタイプだなぁ。



話し方は淡々としてるけど、その声の通りからや立ち振る舞いから、

人を惹きつけるようなものを感じる。


それに、見た目という点もプラスされていて。




こんなばっかばかしいような学園で、

1年生ながら"生徒会長"を務めている…か。


さて、





どんな人なのだろう…?



そんな興味が胸の奥から湧いてくる。








「突然だが…お前らには"現状の理解"をしてもらう」





現状の…理解?


…教室の椅子に座ってる、これが現状ですけど。





「ここ、鳥月宮学園は、由緒正しき古き名門校。

けど、それは表の姿…」




会長さんはニヤリと不適に笑った。



その笑みは、私たちの反応を楽しんでいるようにも見える…悪趣味。



教頭と言い会長と言い、この学園はそんな趣味の奴が多いの?





「異世界への"扉"を

無理矢理学園で埋めたものにすぎない。



つまり、あなた達には向こう3年間…」





会長さんはパチンッ…と指を鳴らす。




私たちは…彼の次の言葉を聞き逃してしまう程、



目の前で起きた事に…目を離せないでいた。






「……向こう3年間、


異世界で暮らしていただきます」








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