学園世界のイロジカル
「言ったままの通りですよ。

皆さんをここに送るとき、外部組の2人が柊君と龍矢君と一緒にいたせいでこちらに来てしまった」




Qはステッキをくるくる回しながら、少しの微笑をたたえて話す。



その様子は今、緊迫した中にいることを惑わせるようで。





「零君の情報は他の外部組同様、すぐに入手できた。

しかし…」




Qは私を見ると、目をスッと細くし…私に向かってちょっとにらんだ。




「椿さん、君の情報は全てが”書き換えられていた”」





「…え、なななんで!?」




私の情報が…書き換えられていたぁ!?



え、ちょっと待って…パニックになるって。



と、とりあえず落ち着け私。きっとこれは何かの間違いだって…





「間違いでもなんでもない。

貴方の情報は意図的に変えられている。


日本の田舎の一般家庭に生まれ、育ち、中学では好成績をおさめる。

その成績を無駄にするなと勧められ、鳥月宮に合格…と」




…自分でも、分かった。



自分の顔から笑顔や戸惑いの表情が消えるのが。




「しかし、中学での貴方の行動は確認できましたが…


どうも、それ以前の事が分からない。


しかも深く調べると、半世界の上層部にストップされていた」





全248ケタのパスワードでね。



そう言うとQはまた、怪しく笑いながらステッキをくるくると片手で回しだす。



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