学園世界のイロジカル
『見た目が可愛いのに、性格はサバサバで可愛くない』



だなんて、さ。




人を外面だけで見るもんじゃないですよ、全く。





「じゃあ、言い方を変えたらどうです」




「言い方?」




零を前にして歩かせると、なぜか自然と道ができる。



女の子がひょいっと避けてくれるんだよね。




つまり零は私の前にいて、ステージに向かってズンズン歩いているから顔は見えない、けど…





「そのドレス、椿らしくて似合ってます。悔しいですけど、キレイです」






そんなことをさらっと言っちゃったりして。




…なに、急に。




「…そりゃありがとー」






ただの、性格が可愛くないってやつの慰めかもしれないけど。



けどやっぱり嬉しくて。




胸の奥で、ここ数年感じることのなかった熱が生まれる。




…悔しい。



なんか、悔しい!






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