学園世界のイロジカル
2人でギャーギャー言い合って、たまに隙を狙って先に学園に行こうとする零を止めて…



そんな事をしてたもんだから、私の家の中に人が入ってきても全然気が付かなかった。






「それは柊の説明が悪いよ」



「りゅ、龍矢!?」



「おせーよ龍矢、俺じゃ無理だ」





…まるでしつけの悪いペットを相手に諦めたような、そんな顔しちゃって。



私も柊の相手なんて、絶対無理だから!



それにあの龍矢も味方してくれたし!…って、




「不法侵入さらっとしてるね!?」



「ごめんごめん、仕事帰りにこの家から騒音が聞こえてねー」




仕事帰り…って、龍矢はこんな朝まで仕事を?




…大変だな、忍者ってのも。



学園に1人しかいないらしいし、やっぱ半世界でも重宝され、頼られてるんだろうな。





「お前が予想以上に早く来てくれて助かったわ…」




「あー、ちょっとねー」




そう言って、ニコリと龍矢は笑う。



…その笑顔の裏には何があるんだか。




掴めない人。いつもへらへら笑ってるからこそ、彼の真意が分からない。




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