学園世界のイロジカル
「ラーメンなんて、ルームメイトと昔に行ったっきりですね」



「お、ピアスをくれた零のルームメイト君?」



「ええ。同期生で、年は4つ違いますけど、良い友達でした」




年は4つ違う…って言っても、そのルームメイト君もかなりの頭脳を持っているようです。




「ねえ、零のキャンパスライフってどんな感じだったの?」




「楽しかったですよ、数字とコンピューターに挟まれて生活するのは」




「楽しいんだ、それ…」




零によると、大学は3年間行ってたらしい。



零お得意の飛び級で2年で卒業してもよかったのだけど、どうしても研究したいことがあったのだとか。





「意外に友達とかいるんだねー」




「失礼ですね、いますよそのくらい。

数えるほどでしたけど」




「ほらほらやっぱりー!」




笑い合って(おもに私が、っていうか零はほぼ笑ってない)歩いていると、いつの間にか人がそんなに通らないような通りに来ていた。




「こっちを通るとすぐ人通りが多いところに出れるらしいの」



「ほう、近道ですか」




そんな感じ、と言おうとしたその時。




「江崎零」



「…!?」




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