学園世界のイロジカル
3.さよならビスカリア
*
昔から、なにをするにも早いほうだった。
立つのも、歩き出すのも。
言葉を話すのも、自由に話せるようになるのも。
”人の目”がどこに行くか、分かるのも。
「あんな子、いらないのよ」
「おい、もし零が聞いてたら…っ、零!?」
「…いつからそこにいたのよ。
気味が悪い子ね」
僕という存在がいらないと理解するのも。
「あんたは所詮、あの女の血をひいてるのよ。
なのに…どうしてお兄ちゃんの良いところを、全て奪ってしまうのよ!!
あんたのせいで、あんたのせいで!!」
兄という存在が僕を殺しているのも。
「君には…天才になる”素質”がある」
とある天使の皮を被った悪魔に微笑まれ、
魂を奪われるのも。
全て、早かった。
昔から、なにをするにも早いほうだった。
立つのも、歩き出すのも。
言葉を話すのも、自由に話せるようになるのも。
”人の目”がどこに行くか、分かるのも。
「あんな子、いらないのよ」
「おい、もし零が聞いてたら…っ、零!?」
「…いつからそこにいたのよ。
気味が悪い子ね」
僕という存在がいらないと理解するのも。
「あんたは所詮、あの女の血をひいてるのよ。
なのに…どうしてお兄ちゃんの良いところを、全て奪ってしまうのよ!!
あんたのせいで、あんたのせいで!!」
兄という存在が僕を殺しているのも。
「君には…天才になる”素質”がある」
とある天使の皮を被った悪魔に微笑まれ、
魂を奪われるのも。
全て、早かった。