学園世界のイロジカル
零に目を向けると…昨日の時みたいな、いつもと違う零がいて。



青と茶の目は私を確かに強く睨んでいる。




「どうしたの、れ…」



「出てけよ」



そう言って半身起き上がろうとする零に、反射的に手を貸しそうになる。


けどパシン!とその手は叩かれてしまう。




「出てけよ!お前だって、どうせ…!!」



そこで零がハッとした、何かに気付いた顔つきになるのが、確かに分かった。





手を伸ばそうとするけど、さっきのようになったらと思うと自然と手を出すことができなかった。




「………すみません」



「……零?」



さっきと違う、落ち着いたような声。


けど…少し、運動した時みたいに息切れをしている。



「すみません…1人にしてくれませんか。

少し、気が動転してます」




「……分かった。

部屋の前のベンチにいるから、何かあったら呼んでね」




「…………はい」




部屋を出て、ドアを横にガラララッーっと閉めようとする。



閉めきる間際、ほんの15cmほどの隙間から…



両手で目を抑え、どこか苦しそうな零を見つけた。





「…っ、」





私は無言で、ドアで私と零の間に壁を作った。



ベンチに座ると…目が覚めた時の零が蘇った。



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