学園世界のイロジカル
夕食の時間まで、昨日の続きから数学書をひたすら読みふける。



たまに英語じゃないのもあるけど、3ヶ国後ぐらいなら話せはしないけど読み書きはできるから大丈夫。これも母のおかげだ。




夕食の時間になると、ダイニングルームへ。



豪勢な、食べきれないような食事が並ぶテーブルに座る。この時間は憂鬱な時間の1つだ。




「一也、美味しい?」


「はい、お母様。とても」



「…零は?」


「美味しいです、お母様」



普通の人が見たら、なんてことないかもしれない。


ただ僕や一也兄さん、もしかしたらメイドや執事だって気が付いてる。



お母様の態度の違い。





でも、僕は嫌われたくなかった。


平穏に、何事もなく、そんな幸せな暮らしをしたかったし…



『あなたが零君?

…私と一緒に、暮らさない?』



そう言ってくれたお母様のことを、僕が好きだったから。








「ごちそうさま」


「零。この後、算数教えてくれないか?」


「え…僕が一也兄さんに、ですか?」



僕の言葉にああ、と言って一也兄さんは笑う。



「零は算数の天才だって、学校でも有名なんだ。

宿題の難易度が今日は高くて…いいか?」




「も、もちろんです!」





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