学園世界のイロジカル
どこだよ。




「かわいそうな子ね…誰からも愛されないなんて」




おい、誰か答えろよ。




「みんなみんな、上っ面だけニコニコしているのよ!

その下の顔をあなたは考えようとしなかったの!?」




「おい!!」




……どこなんだよ。



あの人は、どこだ。





「…なによ、その目…」




目の前の女が、僕の目を指さした。


青い、大好きな母と同じ目を。





「あの女と同じ目ね。

あんな女、死んで当然だったのよ…殺させてよかったわ」






…は?





「おい、黙ってろ!」



「…別にいいじゃない。この子もどうせ、すぐ死ぬでしょうし」





…『殺させて良かったわ』?





フラッシュバックで蘇る。


母が死んだあの日、1人の警官がお父様に事件の様子を話していたのを。




『トラックに乗っていた相手側は女性と事故を起こした途端、逃げました。

しかもそのトラックがおかしくて、盗難車だったんです。

調べていますが…多分…』





…僕のたった1人の母も。

優しいお母様も。





こいつが




全て……






「うわああああああああああああああ!!!!」





気付けば突っ込んでいた。




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