学園世界のイロジカル
あの子と、みんな…なんか違う気がする。



みんなはあんな顔で練習してたっけ?



ナミと柊がたまーに戦ってたのを見たことあるけど、2人ともそんな表情じゃなかった。




もっと…楽しんでた感じ?




「…名前はわかんないから、Aさんと呼ぶけど!」



ビシ!と向かってくる女の子に、どこかで見た探偵ドラマのように人差し指を向ける。



うん、決まってる!……はず!




「体が動いた方に私は委ねるんで!

よろしく!」





「な、なに言ってるんですか!?」




迫る距離。女の子は思いっきりジャンプして…上から私に叫んでくる。




私は…いや、私も自然に、体が反射して


思いっきりジャンプしていた。




さすが半世界…人間界より高くジャンプできる!




「だからごめんねAさん!

なんか、楽しくなってきちゃった!」



「た、楽しい!?」




「うん!よし、行こっか!!」




空中で睨み合った…私は口角が思いっきり上がってるけど、そんな状態で私たちは急接近する。



泡立て器を振り上げた女の子は、私の前に振り下ろすと…さらに泡立て器がぐん!と大きくなって私のお腹にクリーンヒット…



する前に



「よっとお!」



「な!?」



驚くことなかれ!


これでもアスレチックの女王と呼ばれていたのだよ!…自称だけど!



さらにでかくなった泡立て器を両手で掴んで体を起こした私は…良い感じに泡立て器の泡立てる部分に立っている。



女の子を見下ろす形で。




私を振り下ろすにも、勢いがついてしまった泡立て器の速さは止められない。







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