学園世界のイロジカル
「…"スティール"」



柊はにやりと笑いながら言った。




「それがお前の超能力だ。

超能力使いさん?」




スティール…


それって、"盗む"って意味だよね、英語で。




能力を盗む…か。
盗む時は、自分に激痛が走る…けどその激痛こそが、盗んだという証拠。

勝手な自論だけど、私は自分に超能力に対して……そう思ってる。




でも…なんか、嬉しいや。


やっとちゃんとした職持ちになれたみたいな…そんな気持ち。



零と戦ってみた時だって、危機感をこれでも感じていた。


私、弱いなぁって。



けど…




「……よし行こう、王城!」



「そう来なくっちゃな!」




なんか勇気が、自信が溢れてくる!


自惚れちゃあいけないけど…でも、




「スティール…か……」



学生決闘で戦って、能力を発動した時とは違う、


なんだか…心の奥底から暖かいものがぶわあっ!と溢れてくる感じ…





「…お前は立派な"超能力使い"だよ」



「…ありがと、柊!

シロさんにもお礼言わなきゃ!」




零も「おめでとうございます」と言ってくれた。


笑ってはいなかったけど、けど、なんだか優しい声で。





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