学園世界のイロジカル
ただただ無言で歩く。



気付けばもう、私と零の家がある通りに差し掛かっていた。





「……龍矢はなんで、1人で全部やろうとするんだろうな」




沈黙を破った柊は、小さな声でそう言った。



私たちが動いた時に出る音以外は、風の音ぐらいしかしないここら辺ではよく響く。




私は「なんでだろうね」とつぶやいた。




「…きっと龍矢の"誓い"とやらが関係しているのでしょうね」



「誓い……?」




そういえば、龍矢から柊に送ったメッセージにも、


私たちに言った言葉にも、



その"誓い"という言葉があった気がする。




でも"誓い"って……




「どうしても1人でやらなきゃいけねえことってことか。

俺には到底理解できねえな」





柊のその言葉が終わる時に、ちょうど私たちの家の付近に着いた。




「じゃあな。

ぜってえ俺が連絡するまで勝手に動くんじゃねえぞ」




「分かってます、僕たちだってそんな馬鹿じゃあないです」




「私も」




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