学園世界のイロジカル
「ま、椿らしくていいんじゃないですかね?」




「…絶対今馬鹿にしたでしょ」




「別にそんな気はないです。

本心を言ったまでですし、むしろ少し褒めたつもりですね」




…馬鹿にされてる気がしてならないけど。




「…で、零はなんでココに?

知ってたんでしょ、今日が休校だってこと」




「ええ、もちろんです」




じゃあ、ホントになんで?



零もちゃっかり制服姿だし。




…見た目は完全な不良なのに、ピシッと制服を着崩していない感じがまた合わない…



でもよく見れば、決してTHE・不良!ってわけじゃないもんね。



金髪でオッドアイで、片耳にピアスが揺れてるだけ…





「いや、だけではないか」



「…何の話ですか」



「いや、見た目やっぱり不良だけど…


やっぱ、顔は整ってるね。ちょっと椿ちゃんムカついちゃうほどに」





「…絶対褒めてないですね、それ」





いやー、さっき馬鹿にされたのが悔しくてちょっと…


でも冗談抜きに、顔は怖いほど整ってる。



…女子はほっとかないだろうな。






「ま、とりあえず戻りましょう。ここにいてもなんですし」



「うん…って、結局なんで零は来たのさ?」




零はうーん、と少し考えるような顔つきになる。



「椿ならここにいる、そう思ったからです。

2人で半世界を少し探索してみませんか?どうせ暇でしょう、今日」




…え!?


零…私を気遣ってくれた?いや、勘違いかもだけど!


でも、もしそうなら…




「…ちょっと怖い」



「人のせっかくの気遣いを…

それにただ、僕が1人で半世界を周ってて、

昨日の龍矢が言っていたのが本当だったら半世界は危険な場所ですから、椿を盾にできるとも思ったからです」




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