学園世界のイロジカル

袴だけは紺色だけど、他全部が真っ白な式服を身にまとった人。



年はきっと、私たちと変わらないぐらい。



髪型が特長的で、肩のちょっと上あたりでまっすぐに切り揃えてる。



おかっぱ見たいだけど、おかっぱにしては少し長めで切り揃えすぎな気がする。



…でも、目を奪われるような美しさを持つ人だった。




漆黒の漆を塗ったような髪に、凛々しく黒い目。


透き通るような白い肌に、ほっそりとした体が式服に隠れていても分かる。




ふ、と彼が笑うと…目が離せなくなって、心がドクンドクンと高く波打つ。


なに、この人……




わた、し……は……





「…貴女は椿ですね」



目にも留まらぬ速さで一瞬で私の前に来たかと思うと、その細く綺麗な指がクイ、と私の顎を軽くとらえ、あげた。



身長は私より10cmちょい高めの172、3cmぐらい。



目線を上げられ、目が逸らしたいのに逸らせない。



その美しい瞳にとらわれて、離れられない…




「…やっぱり、君が椿ですか。

…俺は菊というものです。以後、よろしくお願いしますね」




き、く……



彼の手が私の顎から離れ、そっと微笑まれる。



なんでこんなに胸が、高鳴るの……